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プラズマローゲンは効果なし? サプリで認知症対策はできる?

プラズマローゲンは効果なし? サプリで認知症対策はできる?

健康について気になることが増える60代。特に、これから増加すると予想されている認知症は、知らず知らずのうちに進行していくことから多くの人が不安を感じる症状の一つでしょう。その認知症を予防できるのではないかと注目されている健康成分がプラズマローゲンです。しかし、実際に効果はあるのでしょうか。ここではプラズマローゲンの効果について考察します。

1.プラズマローゲンが注目されるようになったきっかけ

1.プラズマローゲンが注目されるようになったきっかけ

プラズマローゲンは、脳の18%を占めるリン脂質の一種であり、認知機能の改善に効果があるのではないかと考えられている成分です。火付け役は、1990年代に認知症の一つであるアルツハイマー病患者の脳を分析したアメリカの論文でした。この論文では、アルツハイマー病患者の脳において、プラズマローゲンが著しく減少していることが明記されています(1)。

この結果から「プラズマローゲンがアルツハイマーに効果があるのではないか?」という仮説が立てられ、研究が進められてきました。日本でもさまざまな研究が行われていて、認知機能の改善を促す可能性について数多くの報告がなされています(2)。他にも、プラズマローゲンを毎日0.25mg〜0.5含むサプリメントを12週間摂取すると認知機能の改善に寄与する報告があります(3)。こうした研究結果を受けて、プラズマローゲンは認知機能を改善する可能性がある成分として注目されるようになりました。

(1)Decrease and structural modifications of phosphatidylethanolamine plasmalogen in the brain with Alzheimer disease

(2)Plasmalogens inhibit neuroinflammation and promote cognitive function.

(3)IMPROVEMENT IN COGNITIVE FUNCTION BY SUPPLEMENT CONTAINED PLASMALOGEN FOR HEALTHY JAPANESE-A RANDOMIZED, DOUBLE-BLIND, PLACEBO-CONTROLLED STUDY.

2.プラズマローゲンのサプリメントは認知機能の改善に効果があるのか?

2.プラズマローゲンのサプリメントは認知機能の改善に効果があるのか?

報告されている論文を読み解くと、軽度のアルツハイマーには効果がある可能性が高いと考えられます。しかし、効果がないと感じる人や、怪しいと感じる人も多く、評価はさまざまです。効果がないと感じられる理由はどこにあるのでしょうか?

2.1.そもそも不足していない

先述した論文も含めて、多数の論文を読んでみると認知機能のテスト成績が悪かった方など、実際に認知症や物忘れが進んでいる人を対象に研究が行われていることがわかります。スコアが低い人や認知症と診断された人はプラズマローゲンが不足している可能性が高く、その不足を食事で補うことで認知機能が改善したと報告されているわけです。逆説的に、プラズマローゲンが不足していない人にとっては効果のないサプリメントであると言えます。

2.2.アルツハイマーではない

プラズマローゲンは、アルツハイマー患者の脳で減少していると報告されたことをきっかけに注目されるようになった成分です。そのため、アルツハイマー型認知症以外の血管性認知症、レビー小体認知症、前頭側頭型認知症については、改善するというエビデンスが不足しています。

2.3.量が足りていない

プラズマローゲンに認知機能の改善効果があったとしても、量が足りなければ効果は期待できません。製品を選ぶ際は、少なくとも論文(3)にある1日0.5mg以上のプラズマローゲン摂取を目安にするとよいでしょう。

2.4.プラズマローゲンが変性している

サプリメントは製造してからお客様の手に渡るまでに時間がかかります。そのため、適切な状態で管理をしないと、プラズマローゲンが酸化してしまい、不足分を補えなくなってしまう可能性があります。含まれている量と共に、しっかりと密閉された形状であるかどうかも確認しておくとよいでしょう。

3.プラズマローゲンサプリの注意点

3.プラズマローゲンサプリの注意点

サプリメントの中には、認知機能の改善効果があると表記されている製品もあります。しかし、その解釈には注意が必要です。ここではサプリメントの注意点について紹介します。

3.1.サプリメントの目的は「健康の維持と増進」

サプリメントは健康の維持と増進を目的として利用される食品です。そのため、認知機能の改善効果があると表示されていたとしても、「アルツハイマーや認知症にならない」「物忘れが治る」と期待するのはおすすめできません。

プラズマローゲンは、あくまでアルツハイマーや認知症と診断されていない人が、将来的な健康維持を目指して利用するくらいがおすすめです。もちろん、自覚症状があるのであれば、医師を頼るようにしてください。

3.2. しっかりとした製品を選ぶ

サプリメントは健康をサポートする食品ですから、含まれる健康成分についてエビデンスを収集している企業の製品を購入するようにしましょう。また、製品の製造についてもしっかりと考え抜かれた信頼できるブランドを選択することをおすすめします。

まとめ:認知機能の維持が大切!

プラズマローゲンは、軽度のアルツハイマー患者や認知機能の改善といった報告が多数ある健康成分であり、認知機能の低下を予防する効果が期待できます。しかし、あくまでサプリメントですから、病気の改善や予防を目的としての利用はおすすめできません。その点を踏まえて、利用するかどうかを決定するようにしましょう。

※永樹櫻で販売しているプラズマローゲンは、エビデンスの1〜3倍を摂取できるように設計されていますが、あくまで一般食品に分類される健康食品です。認知症症状の改善や予防といった用途ではなく、健康の維持増進目的での利用をお願い申し上げます。