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糖尿病のリスク因子と予防法 - あなたの健康な人生のカギを握る行動とは?

糖尿病のリスク因子と予防法 - あなたの健康な人生のカギを握る行動とは?

糖尿病は生活習慣病の一つで、適切な食事や運動、ストレス管理といった生活習慣の改善が予防や改善に効果的です。しかし、糖尿病にはさまざまな種類や原因があり、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの対策が必要です。このブログでは、糖尿病の基礎知識から各種類の特徴、原因までを詳しく解説していきます。糖尿病の予防と適切な管理方法を知ることで、健康的な生活を送るためのヒントが得られるでしょう。

1. 糖尿病とは

糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続いてしまう病気です。日本人の5人に1人が糖尿病かその予備群であると言われる国民病で、インスリンというホルモンが不足することで発症します。

1.1 インスリンとは

インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に取り入れることで、血液中に流れる糖の量を一定に保つ役割をもつホルモン物質です。

まず、食事によって体に摂取されたブドウ糖が体内に吸収されます。その際に血液中のブドウ糖の濃度を一定に保つために、すい臓からインスリンが分泌され、ブドウ糖を体組織に取り込んでいきます。

このようにブドウ糖を体組織に取り込むことができるホルモンは、インスリンしかないため、インスリンが不足してしまうと、血糖値が高い状態が続くことになります。インスリンがいかに重要なホルモンであるかがわかりますね。

1.2 糖尿病の発症

糖尿病は、運動不足や不規則な食生活などによって分泌されるインスリンの量が不足したり、インスリンの働きが弱まることで発症します。自覚症状がないので、定期的な健康診断を受けていない場合は、気づくのが遅れてしまうケースも珍しくありません。この高血糖状態が長く続くと、様々な合併症を引き起こしてしまうので注意が必要です。

それぞれ異なった特徴があり、治療や予防のアプローチも異なります。正しい知識を持ち、適切な生活習慣を心がけることが重要です。
ここでは糖尿病の2つのタイプについて紹介します。

・1型糖尿病
1型糖尿病は、すい臓のβ細胞の破壊により、インスリンを生成できなくなる病気です。自己免疫疾患などによってすい臓の細胞が役割を果たせなくなってしまうことでインスリンの分泌が不足するタイプです。若い人や子供に多く見られます。

1型糖尿病は、「インスリン依存型」と呼ばれることもあり、体外からのインスリン補充が必要な病気です。生活習慣病や、先天的な病気でもないため、しっかりとした継続治療を受けることが大切です。

・2型糖尿病
2型糖尿病は、インスリンの分泌が減少したり、インスリンの働きが弱まるタイプです。遺伝、食事、肥満、運動不足などが複雑に絡み合って発症する生活習慣病で、日本の糖尿病患者の約90%を占めています。主に中高年で発症する人が多い病気です。

生活習慣病と言われるだけあって、食事や肥満、運動不足などが積み重なることで、後ほど説明する「インスリン抵抗性の増加」や「インスリン分泌の低下」が徐々に引き起こされます。そのため、無症状で進行することが多く、症状が現れたときには進行していたということも珍しくありません。なお、内臓脂肪の多い人や筋肉量の少ない人に発症しやすい傾向があります。

2. 1型糖尿病の原因と特徴

2. 1型糖尿病の原因と特徴

1型糖尿病の発症に関わる要因は複数あります。ここでは1型糖尿病の発症に影響を与えている要因と症状について解説します。

2.1 遺伝的要因

1型糖尿病を発症率する人の親が1型糖尿病でない場合よりも、1型糖尿病であるケースのほうが多いとする報告があるため、1型糖尿病は遺伝的な要素が関与していると考えられています。ただし、遺伝によって確実に発症するということではなく、環境要因や生活習慣によってリスクが変わります。そのため、環境要因や生活習慣を改善することで、予防効果が得られると考えられています。

2.2 自己免疫疾患

1型糖尿病は、自己免疫疾患との関連性が指摘されています。自己免疫疾患とは、本来であれば体を守るはずの免疫システムが体の一部を攻撃してしまう病気です。この自己免疫疾患によって免疫システムがすい臓のβ細胞を攻撃し破壊してしまうと、インスリンが分泌されなくなってしまっています。免疫システムがβ細胞を攻撃するのかはまだ解明されていないため、予防は難しいと言えるでしょう。

2.3 突然の発症と症状の特徴

1型糖尿病は突然発症するという特徴があります。日本小児科学会によると、発症のピークは10歳から15歳の思春期ですが、アメリカやイギリスでは20代以降に発症するケースが多いと報告されています。

初期症状としては口の渇き、水を飲みたくなる、尿の回数が多くなる、体重が突然減り出すなど、急な症状が現れることが多く、前年の健康診断では血糖値の上昇などが見られないこともあります。

1型糖尿病の原因は複数の要素が絡み合っていて、遺伝的要因や自己免疫が発症リスクに関与していることが分かっています。そのため、具体的な予防方法は、定期的な検診による早期発見に尽きるでしょう。

3. 2型糖尿病の原因と特徴

2型糖尿病の発症原因は、環境要因と体質の組み合わせが強く影響しています。生活習慣や遺伝的な要因が関与していて、次の特徴がある人が2型糖尿病になりやすいと言われています。

3.1 インスリン抵抗性

インスリン抵抗性とは、インスリンが分泌されているのにも関わらず、体がインスリンの効果に抵抗してインスリンの働きが悪くなっている状態です。内臓脂肪が多いと、インスリン抵抗性を引き起こす物質が作り出されてしまいます。

インスリン抵抗性が高くなると、ブドウ糖が細胞に取り込まれず、血液中に留まって高血糖状態が続きます。この状態が続くと糖尿病と診断されてしまいます。

3.2 インスリン分泌障害

インスリン抵抗性とは逆に、インスリンの分泌量が減少することによってブドウ糖が細胞に取り込まれず、血液中に留まる状態です。インスリン分泌障害は、高血糖状態を持続させてしまう要因のひとつです。

糖尿病の初期は、血糖値が高い状態に反応してインスリンを分泌しようとしますが、長期間に渡って高血糖が続くと、インスリンの分泌をやめてしまいます。この状態になると、さらなる血糖値が高い状態を引き起こしてしまいます。

3.3 生活習慣病としての2型糖尿病

2型糖尿病の発症には、遺伝的要因と生活習慣の両方が関与しています。遺伝的な要因は、糖尿病の家族歴が代表的です。しかし、遺伝的な要因は変えることができないので、予防することはできません。一方で、生活習慣は改善することができます。ですから、糖尿病の発症リスクを高める要因として高カロリーな食事、高脂質の食事、運動不足、喫煙、ストレスなどを改善していきましょうと言われるわけです。

2型糖尿病は、食事や運動、ストレス管理など生活習慣の改善によって予防・改善が可能です。遺伝的要因は関与しますが、その他の環境要因にも注意し、健康な生活を送ることで糖尿病のリスクを軽減することができる点が重要です。

4. 糖尿病になりやすい生活習慣

4. 糖尿病になりやすい生活習慣

糖尿病の発症には、日常の生活習慣が大きく関与しています。食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、精神的なストレスなどが糖尿病の引き金となることがあります。さらに、家族に糖尿病の人がいる場合は特に注意が必要です。ここでは糖尿病になりやすい生活習慣リスクについて確認し、それぞれの予防方法についても確認していきます。

4.1 家族に糖尿病がある場合のリスク

家族に糖尿病の人がいる場合は、自身も糖尿病になる可能性が高くなります。遺伝的な要因が関与していて、家族歴がある場合は特に注意が必要です。遺伝的要因を予防することはできませんが、「自分は人よりも糖尿病になる可能性が高い」と知っておくだけで、他の予防方法への取り組み方が変わってきます。他の人よりもリスクが高いという意識だけ持っておくようにしましょう。

4.2 体重の増加によるリスク

20代前半からの体重増加は、糖尿病になりやすい傾向があります。肥満は糖尿病との関連性が高く、太っている人ほど糖尿病になりやすい傾向があります。予防方法としては、筋トレを行って消費カロリーを増加させるか、食事内容に気を遣って摂取カロリーを減らす方法があります。BMIが22の状態が一番疾病リスクが小さいことがわかっているので、まずは適正体重を目指してみましょう。

4.3 糖分や脂肪分の摂取量によるリスク

砂糖や脂肪分を好んで摂取する傾向のある人も、糖尿病になりやすいと言われています。これらの食品は血糖値の上昇につながり、糖尿病の発症リスクを高める可能性があります。

4.4 運動不足によるリスク

運動不足は、糖尿病のリスク因子です。身体活動が少ないと、体内の糖がエネルギーとして消費されにくくなり、血糖値が下がらなくなってしまいます。また、運動は細い血管の循環を改善する効果もあるので、定期的な運動を心がけると予防につながります。

例えば、アメリカの国立衛生研究所は、65歳以上の女性の2型糖尿病を発症するリスクが減少するという研究を発表しています。何もしないとリスクはそのままですが、1日に2000歩歩く距離が増えると12%減少するので、積極的に運動を取り入れていきたいところです。

Associations of Daily Steps and Step Intensity With Incident Diabetes in a Prospective Cohort Study of Older Women: The OPACH Study

4.5 過度なアルコールの摂取によるリスク

アルコールの過剰な摂取も糖尿病のリスク因子です。まず、アルコールには糖分が含まれていて、摂り過ぎると血糖値の上昇につながります。さらに、アルコールの摂取によって肝臓の働きが低下すると、血糖値上昇を引き起こす可能性が明らかとなっています。

アルコールの量が多過ぎる人は、厚生労働省が目標として掲げている純アルコール20gを目指してみましょう。具体的には、ビール(アルコール5%)500mlもしくは日本酒(アルコール15%)180ml程度を目安にアルコール量を減らすことで予防につなげられます。

厚生労働省「アルコール」

4.6 ストレスの影響

ストレスの多い環境で生活をすると、糖尿病のリスクを高めてしまいます。ストレスはホルモンバランスを崩して、血糖値の上昇を引き起こしてしまいます。また、ストレスを感じると食欲が増して、不健康な食事や過食につながる人もいます。ストレス管理を意識して、ストレスを感じにくい環境を作ってあげると予防につながります。

まとめ

まとめ

糖尿病は、生活習慣の乱れから発症する病気です。適切な食事、運動、ストレス管理などの生活改善に加えて、定期的な健康診断と早期発見・治療が重要です。一人ひとりが自身の健康に対する意識を高めて、糖尿病の予防と管理に努めるとなお好ましいでしょう。遺伝的な要因もありますが、生活習慣の改善によって予防できる部分も多いため、健康的なライフスタイルを心がけることが大切です。

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【よくある質問】

1型糖尿病と2型糖尿病の違いは何ですか?

1型糖尿病はすい臓のβ細胞が破壊されて急性的にインスリンが不足する状態で、主に若い人に多く見られます。一方、2型糖尿病はインスリンの分泌や働きが低下することで発症し、生活習慣の影響を強く受けます。特に中高年層に多く見られるタイプです。

2型糖尿病はどのような生活習慣が原因となるのですか?

2型糖尿病は内臓脂肪の蓄積やインスリン抵抗性の増大、インスリン分泌の低下などが主な原因です。過剰な食事、運動不足、ストレスの蓄積などの生活習慣が、2型糖尿病のリスクを高めます。遺伝的要因も関与しますが、生活習慣の改善によって予防や改善が期待できる糖尿病のタイプです。

糖尿病の予防には何が大切ですか?

糖尿病の予防には、バランスの良い食事、適度な運動、禁煙、ストレス管理などの生活習慣の改善が効果を発揮します。また、定期的な健康診断を受けて早期発見・治療することも大切です。遺伝的要因がある場合は特に注意が必要で、自身の健康状態を把握し、積極的に生活習慣の改善に取り組むことが求められます。