認知症とは〜認知症を正しく知る〜
認知症は、記憶量や判断力が低下し、少し前のことをすっかりてしまうなど日常生活に大きな影響を及ぼしてしまう病気です。10年以上の時間をかけて少しずつ進行するため、予防が大切ですが、「歳をとれば誰でもなるから大丈夫」「病院に行きたくない」などの理由で、認知症の発見が遅れてしまうこともあります。ここでは認知症の基本的な情報について紹介します。
1.認知症とは
認知症を簡単に説明すると、神経細胞の異常によって引き起こされる記憶障害などを伴う病気です。しかし、神経細胞の異常が生じる原因は多岐に渡り、原因によって症状も異なります。そのため、認知症は3つのタイプに分類されます。
1.1.アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、全体の約70%を占める類型です。アミロイドβ(ベータ)と呼ばれるタンパク質が脳に溜まることで、神経細胞を傷つけて脳が萎縮して発症します。20~30年程度の時間をかけて徐々に進行するため、症状が悪化していることに気がつきにくい傾向があります。
1.2.血管性認知症
血管性認知症は、全体の20%を占める類型です。脳梗塞や脳出血、動脈硬化などによって血液の流れが悪くなり、神経細胞に必要な栄養や酸素が運ばれなくなると進行します。そして神経細胞が死んだり、神経細胞のネットワークが壊れたりすることで発症します。アルツハイマー型とは違い、突然発症することもあります。
1.3.レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、認知症全体に対する割合が低い類型です。神経細胞の中にレビー小体と呼ばれる特殊なタンパク質の塊ができると、少しずつ神経細胞が減少していきます。その時々の状態によって認知機能が良くなったり、悪くなったりするので「今日は疲れてるから」と見逃してしまうこともあります。
2.認知症の特徴
認知症には2つの大きな特徴があり、これらの特徴によって私たちは認知症に対して不安を感じてしまいます。それぞれの特徴は下記の通りです。
2.1.症状を見逃しやすい
物忘れは単なる老化現象の一つであり、認知症とはまったく違います。しかし、その症状を判別するのは難しく、素人目にはわかりません。
例えば、昨日の夕食のメニューを思い出せないのは物忘れですが、食べたこと自体を思い出せないのは認知症です。このように全体の「一部」を忘れてしまうのが正常な物忘れ、「全て」を忘れてしまうのが認知症と覚えておくとわかりやすいでしょう。
2.2.認知症を治すことはほぼ不可能
認知症は、神経細胞が死んでしまったり、神経細胞のネットワークが切れてしまったりすると発症します。そのため、治療するには神経細胞を復活させる必要があります。しかし、現代の医学では神経細胞を復活させることは難しく、認知症を治すことはできないと考えておく必要があります。
一方で、認知症の進行を遅らせる薬がいくつも発売されています。適切な治療を受けることで、重度の認知症を回避できる可能性が高くなるでしょう。いずれにしても早期発見や早期対策が求められます。
3.認知症の初期症状について
認知症の初期症状は、感情面や行動面に少しずつあらわれます。ここで認知症の初期症状について紹介します。
3.1.感情面の初期症状
認知症の初期は、感情面が不安定になることがわかっています。不安やマイナス思考になる時間が増えたり、ちょっとしたことでも興奮しやすくなったりします。落ち着きがなくなるのも初期症状の一つで、周囲にいる人にとっては感情の起伏が激しくなったと感じられるでしょう。
感情は、認知症以外の病気や周囲を取り巻く環境によっても左右されます。特に50代は、年齢的に更年期障害であるケースも多いため、若年性アルツハイマーとの見分けがつきにくいでしょう。行動面の初期症状にも気にしながら、医師に相談することをおすすめします。
3.2.行動面の初期症状
行動面の初期症状では、すでにあるものを何度も買ってきてしまうケースが代表的です。これは買ったこと自体を忘れてしまう認知症の症状にあたります。また、何度も同じ話をしたりする、以前よりもだらしなくなる、天気や状況に合わせた服装選びができなくなる、日付がわからなくなるといった症状も認知症の初期症状です。
4.認知症は予防が大切
認知症には、確実な予防方法はありません。しかし、糖尿病や高脂血症といった生活習慣病と関係している可能性が高く、生活習慣を改善することでリスクを下げることができます。また、家族以外の人間関係は、脳に刺激を与えると考えられています。ゲームや楽器演奏、将棋などの指先を使う趣味や、考える趣味も認知症予防に効果的でしょう。
一方で、寝たきりになると認知症が一気に進むという事例が多数報告されています。これは同じ環境にいることで脳の活動が低下し、さらに日常生活から得られる刺激が少なくなるからだと考えられます。
認知症は、自分の生活を豊かにする方向で実施する予防と、寝たきりになったり入れ歯になったりといったマイナスの状態に陥らないように取り組む予防を、それぞれ実施していくことが大切です。
まとめ:認知症は予防が大切
認知症は、大きく「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」に分けられる病気です。いずれも長期に渡って発症する傾向があり、予防によって進行を食い止めることができます。
近年は症状の進行を抑制する薬も発売されているので、治療方法はありますが、できる限り発症したくないというのが本音でしょう。認知症が心配な方は、周囲の人に初期症状を確認してもらい、心配であれば医師に相談してみてください。また、健康の維持・増進を始めてみたいという方は、永樹櫻のサプリメントもご検討くださいませ。