アルツハイマー型認知症の初期症状と予防方法について
アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも特に割合が多いタイプで、記憶や思考能力が少しずつ失われていきます。このように自分が自分でなくなってしまうような感覚に恐怖を感じてしまう方も多いでしょう。そこで、認知症の不安を払拭していただけるように、ここではアルツハイマー型認知症や予防方法について紹介していきます。
1.アルツハイマー型認知症とは
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβ(ベータ)というタンパク質が蓄積することによって記憶障害や思考能力の低下を引き起こされる病気です。認知症の中でも一番割合が高いタイプで、全体の約7割を占める日本では最も一般的な認知症です。
実際、厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査」によると、継続的に治療を受けているアルツハイマー病の患者数は79万4000人と報告されています。治療を受けていない軽度の認知症患者は、700万人を超えると試算されていて、今後の社会問題の一つとして考えられています。
症状が出るのは60歳以上がほとんどで、重度の認知症に至る割合は高くありません。しかし、誰かの世話にならないと生活ができなくなるケースが多く、また大切な人を忘れたくないと不安に感じる人も多いでしょう。アルツハイマー型認知症の治療方法は確立されていませんが、20年以上の長期にわたって緩やかに進行するため、地方自治体などが中心となって認知症予防の取り組みが進められています。
2.アルツハイマー型認知症の初期症状
アルツハイマー型認知症の初期症状は、行動や感情にあらわれます。ここでは物忘れとの違いに触れながら、初期症状について解説していきます。
2.1.記憶障害
記憶障害は、アルツハイマー型認知症の初期にみられる症状です。例えば、5〜10分前にしたことや言ったことを覚えていない場合、記憶障害の可能性があります。他にもご飯を食べたことを覚えていない、話したことを覚えていない場合も記憶障害を疑いましょう。
一方で、記憶障害と一緒にされがちなのが物忘れです。物忘れが物事の一部を忘れてしまうのに対して、記憶障害はしたこと自体を忘れてしまう症状です。例えば、夕食のメニューを思い出せないのは物忘れです。一方で、夕食を食べたこと自体を忘れてしまうのが記憶障害です。忘れている部分が一部なのか、全部なのかをしっかり見極めるようにしましょう。
2.2.認識障害
テレビ番組や新聞、習い事など、生活を送る上で曜日を意識するタイミングはたくさんあります。しかし、認識障害があると曜日感覚や日付がわからなくなります。すぐに思い出したり、確認して答えられる場合は問題ありませんが、頻繁に分からないようであれば認識障害を疑いましょう。
2.3.生活能力の低下
生活能力の低下もアルツハイマー型認知症の初期症状です。買い物で必要なものを必要なだけ買えない、同じものばかり購入してしまうといった行動が見られたら注意が必要です。ほかにもお金の管理ができない、献立が考えられないなど、これまでできていたことができなくなることもあります。
2.4.精神的な問題
認知症の初期症状として、精神や感情に問題を抱えるケースも少なくありません。これまでなら日を認めることができていた人が、ミスを隠そうとしたり、言い訳をしたりするようになることがあります。熱心に取り組んでいた趣味をやめる、気分が落ち込んで鬱気味になるような変化も初期症状として挙げられます。
3.アルツハイマー型認知症の予防方法
初期症状があらわれたとしても、しっかりと重症化予防を行えば、今と変わらない生活を送れる可能性が高くなります。ここではアルツハイマー型認知症の予防方法について紹介します。
3.1.バランスの良い食事と適度な運動
すべての病気の予防に共通することですが、認知症の予防においても同様にバランスの良い食事と適度な運動が大切です。高齢になると脂質やタンパク質の摂取量が減少してくる傾向があり、体の修復に必要な栄養素が不足してしまう可能性があります。不足していると感じている場合は、必要な栄養素をサプリメントで補うことを考えてもよいかもしれません。特にEPAやDHAといったオメガ3系のオイルは健康成分としても有名ですから、摂取して損はないでしょう。
3.2.悪習慣の改善
大量のアルコール摂取や喫煙といった悪習慣は、アルツハイマー病の発症リスクを高めてしまいます。可能であれば、アルコールの摂取を適量に抑え、ストレスがたまらない程度の禁煙を推進することが望まれます。
3.3.興味関心を大切にする
アルツハイマー病は、神経細胞の死や神経細胞のネットワークの破壊によって発症するので、神経細胞の活動を活発にする取り組みにも予防効果が期待できます。これまで興味関心があった分野に触れる頻度を高めたり、新しいことに挑戦したりする活動もおすすめです。
3.4.家族以外の人との交流
家族以外の人との交流は、脳の活動を刺激してくれます。新しいカフェを探したり、スポーツをしたりと、友人と交流する上で刺激に触れる機会は増えるでしょう。また、社会的に自分が必要とされている実感も認知症予防に効果を発揮します。
アルツハイマー型認知症は予防が第一!
最近はアルツハイマー型認知症の治療薬として「レカネマブ」が承認されました。アミロイドを除去する医薬品で、認知症の進行スピードを27%緩やかにする効果が報告されています。しかし、副作用も報告されており、使用しないに越したことはありません。
認知症が心配であれば、症状がないうちから生活習慣を見直すとともに、健康の維持増進を図ることが大切です。それ以外にも新しい交友関係を築き、楽しい毎日を過ごすことをおすすめします。サプリメントを検討されているのであれば、EPAやDHAを豊富に含むクリルオイルを使用した永樹櫻のサプリメントも検討してみてください。